4月4日は【ピアノ調律の日】
今年の「調律の日」の仕事は…
ここ10年ほど担当させていただいている、
某高等学校にて、新年度早々の調律でした。
(年度末に予算が…とのことで音楽室は、新年度に流れての実施)
年度末も多数の公共施設や、一般のご家庭へもお伺いさせていただきまして、
ご縁に感謝いたします。
気がついたら、ブログの更新が1ヶ月以上できておりませんでしたので…
ピアノ調律の日のネタを、長文で…
ご興味ありましたら、お付き合いくださいませ。
調律の日というのは… 国際ピアノ調律製造技師協会が1993年に制定。
日本では日本ピアノ調律師協会が1994(平成6)年から実施。
April の頭文字が調律の基準音”A”と同じで、その周波数が440Hzであることから。
周波数とは、一秒間に振動する数。
音というのは空気を振動させて「音」として聞こえます。
白鍵・黒鍵含めて、一番左(低い音)から数えて49番目、真ん中より少し右側の”A”(ラ)の音=440Hz
440Hzというのは、国際標準ピッチで、
テレビやラジオの時報の音は、
ラ・ラ・ラ・ラー(最後の伸ばした音は1オクターブ上の音で880Hz) になっているようです。
ちなみに、調律の際、基準の音をとっているのは
真ん中より少し下の”A”220Hzの所に基準を音叉やチューナーで合わせて、
その”A”を基準に耳で平均律音階を作り、オクターブやユニゾンを合わせる作業へと進みます。
国際標準ピッチとはいえ、最近は440Hzよりも高めで合わせる事が多いです。
その方が、華やかに聞こえる。などなど。理由は様々ですが、
多くのコンサートホールのピアノも442Hzで調律されております。
オーケストラが演奏前に行うチューニングという作業でも、
ヨーロッパの方ではもっと高めにチューニングされている所もあるようです。
私が学生の頃、ブラスバンドに所属していましたが、
寒い冬は楽器が冷たいので440Hzでチューニング。
夏は楽器も温まりやすくピッチも上がるので442Hzにチューニングしたものです。
ですので、ピアノをソロで演奏する楽器として使用するなら
ピッチは気にしなくてもいいのかもしれませんが(響きの印象はピッチの変化で違いますが。)
ピアノを伴奏楽器として使用する場合、相手のピッチに合わせるか、
相手がピアノのピッチに合わせてチューニングする必要があります。
とはいえ、ピアニストが相手のピッチに合わせる事が出来るわけではなく、
私たち調律師がピッチは決める訳でして、
あらかじめピッチ指定があればその通りに(指定は大抵442Hzでと言われます)しますし、
ピアノのピッチというのは、温度・湿度の変化でかなり変わりやすいため、
年に1回とか、半年に1回とか、そのピアノが調律されるサイクルを考えて、
440〜443Hzの間で落ち着くようなピッチになるように見越して調律しています。
年度末に、海外の伴奏ピアニストの方の調律をさせていただくことがあったのですが、
ピッチ指定があり…
調律後の試弾前に
「442 ? 」(←と英語で聞かれ)
「Yes!」(←とだけ英語の苦手な私は答える)
という、いろんな意味でドキドキでした。
最近のアーティストの方、みんなスマホアプリのチューナーで
ピッチのチェックをされるのです…
okいただけましたが、本当にドキドキの瞬間です。
正直、ピアノに関しては、倍音を含んでいますし、
ピアノカーブというものがあり、簡易的なフリーアプリのチューナーでは
正確に測定などできないのですけどね…
まとめの言葉も見つかりませんが…
久しぶりのブログ更新となってしまいましたが、
元気に楽しくお仕事させていただいておりますので、
ご安心ください。
今年は、私が調律師になって25年! 記念イヤーです。
正確には、25年前の今頃、
親元を離れ、寮生活にて、調律師への一歩を踏み出しました。
そんな話も、これからまたブログにて更新していきたいと思います。
が、ホームぺージ内でも、調律師までの道のりを記してあります。
興味がございましたらお読みくださいませ。
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